私は子どもを対象とした「教育キャンプ」を行う組織に所属している。
つい先日まで2泊3日のキャンプを行っていた。
今回のキャンプでの一番の学びは「組織内の教育(指導)」について。
簡単にどんな学びがあったのかをまとめます。
目次【本記事の内容】
- 1.組織内での教育。目的と手段の共通認識の必要性
- 1-1.1〜10まで教える手段のメリット・デメリット
- 1-2.実践中心の手段のメリット・デメリット
- 2.組織内の教育。目的と手段の共通認識がなければこうなる
- 2-1.どちらの組織の方に個人的に所属したいか?
- 2-2.どちらの教育がいいのか?
- 3.【まとめ】組織がうまく回らないのは意外と小さな相違である
組織内での教育。目的と手段の共通認識の必要性

今回のキャンプでの一番の学びは、組織内での教育は、目的と手段の共通認識が必要であるということである。
今回のキャンプは新人ボランティアスタッフを含めた始めてのキャンプ。
子どもを招いたキャンプとは異なり、ボランティアスタッフのスキルの向上や環境整備を目的としたキャンプを行った。
私はそこで新人の教育にあたることが多かった。
「新人に子どもたちを招いたキャンプで必要な技術の習得」を目的にとし、共に教育にあたるメンバーと「手段」について考えることにした。
1〜10まで教える手段のメリット・デメリット
1つ目の手段として考えたのが1〜10を全て教える方法。
「なんで」といった根本的な意味から、実践なことまで全て手取り足取り教える方法だ。
しかし、この教育方法にはメリット・デメリットの両方が考えられる。
・「教育内容」のマニュアル化で失敗のリスクを軽減できる
・伝える側も「伝えた」という安心感を得られる
・人の「個性」を出すことが困難になり、考える能力の低下
・伝える側が「伝えた」つもりになってしまう
実践中心の手段のメリット・デメリット
2つ目の手段として考えたのが実践を中心とした方法だ。
説明は端的にかつ短く伝えることによって実践時間を確保し失敗をしながら学ぶやり方だ。
この方法においてもメリット・デメリットは考えられる。
・決断力を養い状況ごとの臨機応変な行動が可能に
・組織内で自主的に学ぶ・教えるの流れを生み出す
・リスク管理の重要性が増す
・組織内に発信役(共有者)が必要となる
組織内の教育。目的と手段の共通認識がなければこうなる

ここからは実際に起こってしまった問題。
「目的」は同じにしても「手段」に相違があれば組織内の教育は失敗する恐れがあることを学んだ。
今回私たち教育係が相談して決めた手段は「実践中心」の方法を選んだ。
キャンプという自然を相手とした環境、かつ子どもと共に行う活動ということで、「臨機応変さ」や「応用力」を新人を1チームとして考える力をつけて欲しいという目的のうえ以上の手段をとった。
また今年度集まった新人は互いに意見を交換し合い、共有する能力がすごく高いことも感じていた。
(「いやどっから目線やねん」ということはおいておいてください)
しかし、教育係のメンバー以外にその手段の共通認識はなかった。
教育係が「教えること」をサボっているように感じたのか新人のお手伝いを率先してしてしまう状況。(子どもとキャンプをしていて「やってあげたい」という気持ちの人が多いことも原因の1つ)
新人のメンバー同士で判断する前に、自分たちで学びを得る前に答えを教えてしまう。
これでは教育係の「目的」は達成できない。
人は全てを教えられると純粋な人ほどそのままを吸収してしまう。
いわば全てを教えてしまうと「考えることを放棄する」ことに繋がりかねない。
結果として新人は「怒られないためにはどうするべきか」ということを口にし出した。
「怒られないため」の行動は「応用力」や「決断力」、「臨機応変さ」とはかけ離れた考え方だ。
しかし狙い通りの場面も見られた。
キャンプ最終日。
新人だけでキャンプで使う技能のトレーニングをしているところ見ていた。
そこではまだあって共に活動した回数も少ないメンバー同士が互いに意見し合い、共に何が足りないかを議論していた。
やはりこちらの雰囲気の方が見ていて楽しそうだ。
そして絶対に成長できるはず。
教えられるより、自ら学びを得るほうが何かを身に付けるためには効果的だ。
何かを人に「伝える」ことは本当に難しい。
どちらの組織の方に個人的に所属したいか?
私個人として、どんな組織に所属していたいか?
それはやはり実践で学べる組織(環境)だ。
実践で学び、失敗し、成長する。
この流れがある組織で働きたい。
失敗できる環境がある組織で働きたい。
「上の人がどう思っているのか」
「失敗を毎度気にしながら活動しなくてはいけない」
こんな組織には所属したくない。
どちらの教育の方がいいのか?
結局どちらの教え方がいいのか。
それは「教える人(伝える人)」の個性に合わした方法が最適なのではないかと思う。
私のように1〜10を伝えるのではなく、感覚で物事を伝えるのが得意な人は実践を行いながら説明するのが最適だ。
また教えられる側の個性も考える必要がある。
座学のような1〜10を丁寧に説明を聞き、情報をうまく活用できる人もいれば、実践から学ぶ、行動しながら覚えていく方が得意な人もいる。
人の「個性」を活かした説明と、聞き手の「個性」に合わした説明が一致する方法が最適解なのかもしれない。
答えは決して1つではない。
【まとめ】組織がうまく回らないのは意外と小さな相違である
今回の一番の学びは、組織がうまく回らなく原因は意外と小さな相違であるということ。
新人の教育は「目的」や「手段」の共通認識がないだけで、ここまで組織がうまく回らないことは知ることができた。
これは教える人(伝える人)が全体に共有しておかなくてはいけない事項だった。
失敗の一番の原因はそこにあったと思う。
キャンプは非日常の中で多くの学びを与えてくれる。
キャンプに限らず他の日常でも「学び」は転がっているはずだ。
常にアンテナをはる。
そして多くの学びを得る。
アウトプットする。
この流れを常に作っていきたい。
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