外資系企業に入社するために求められるスキル!「英語力が必要ない」というウソについて!

学生

外資系企業で働くには、どのようなスキルが必要なの?

英語力は必要ないって聞くけど・・・

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外資系企業に15年勤務、採用担当の経験もあるNがお答えします!

近年、就活生の中でも注目が集まる外資系企業。「外資系企業で働くことに興味はあるけど、どんなスキルが必要かわからない」という方も多いはず。

特にわからないのは「どの程度の英語が必要なのか、または英語力は必要なのかどうか」だと思います。

今回は外資系企業で求められるスキルについて、外資系企業に15年勤務、採用担当の経験もあるNさんに説明いただきます。

目次【本記事の内容】

就業先としての外資系企業

学生のみなさんのご両親の就活時代においては、外資系企業に就職することは特殊なケースだったかもしれません。できれば日本の上場会社をはじめとした大手企業を目指すというのが定石だったはずです。

しかし、世界各国でグローバリゼーションが進み、日系企業においても従来の年功序列から、スキルや実力を重視した人事評価制度に移行している現在、将来的なキャリア形成を考えるうえで外資系企業は意義のある就業先と考えられます。

経済産業省が行った第53回(2019年)外資系企業動向調査によると、外資系企業の数(アンケート回答ベース)は3,287 社で前年度比 0.6%増加とあまり変化していない一方、常時雇用従業員数は 55.2 万人で前年度比 11.6%増加と二桁以上の伸びとなっています。その前の2年間で外資系企業の就業人口が一旦減少した反動とも言えますが、日本のマーケットに魅力を感じている外資系企業は非常に多く、採用意向は底堅いものがあります。海外諸国と同様、今後日本においても外資系企業は就業先としてますます身近なものとなっていくことでしょう。

外資系企業の中には一見規模が小さく、日本においてはさほど知名度が高くない会社であっても、世界的な大手コングロマリットのグループ会社ということもあります。そのような会社は規模は小さくても、専門的なノウハウ、高度なシステムインフラ、人材開発、評価制度といったナレッジアセットが充実しています。

このようなグループ企業の場合は、将来他のグループ企業に転籍するオプションも考えられるため、キャリア形成において幅広い選択肢が考えられます。また実力次第ではありますが、一般的に日系企業に比べて外資系企業の給与水準は高いということが言えます。

外資系企業に入社するために求められるスキルと行動姿勢

様々な意味で外資系企業は魅力のある就業先ですが、日系企業とは異なるスキルや行動姿勢が求められます。みなさんの中には、それらをストレスやプレッシャーと感じ、日系企業の方がむしろ安心で快適と思う方もいるかもしれません。

まず、求められるスキルとしては英語は必須です。よく就活サイト等で「外資系企業だからと言って必ずしも英語ができなくて大丈夫。こんなに有名な企業でも英語力を問わない人材を募集しています。」といった記事が散見されます。確かに外資系企業であっても英語を必要としない職種やポジションへの人材需要はたくさんあります。

ただし、ここで注意しなければならないのは、「学生のみなさんが将来どのようなキャリアアップを目指したいのか?」ということです。将来、中間管理職、部長・本部長といった上級管理職、ひいては役員まで進みたいというキャリアアップを望むのであれば英語は必ず必要となります。多くの外資系企業の役員やシニアマネージャーは外国人ですので、英語で直接コミュニケーションが取れ、相応の職種やポジションに就けないと、将来的なプロモーションは望めません。

次に外資系企業で重視される点は、英語力以前のコミュニケーション能力と合理的な行動姿勢です。コミュニケーション能力については日系企業においても最も重要な採用基準の一つです。ただし、外資系企業では「聞く」ということに加え積極的に「話す」能力がより重視されます。日本人は往々にして遠慮深く、シャイで、会議やミーティングの席では自ら積極的に発言しない傾向があります。気を使って「いわずもがな」「暗黙の了解」を美徳と考える文化があります。しかし、様々な国から人材が集まっている外資系企業ではこのような「日本的な奥ゆかしさ」は通用しません。会議はもとより日常業務においても積極的な発言、つまり自分の考えを明確に表明できないと「傍観者」と思われ、仕事への取組み意欲を疑われることになります。

もう一つは合理的な行動姿勢です。たとえばスクール方式の大会議室でプレゼンテーションが行われる場合、演壇から一番遠い、入り口付近や壁際の席を取るのは日本人です。目立ちたくない=質問されたくないという無意識な潜在心理がこのような行動を引き起こします。一方、多くの外国人はできるだけ話が聞きやすい前の席や中央の席を選択します。また疑問点があれば質問しやすい場所、つまり講演者から見えやすい位置が良いと考えます。これは決して目立ちたがり屋ということではなく、彼らの行動原理は、自分にとってプレゼンテーションに参加する目的や期待は何か?を考え、形式ではなくアドバンテージのある合理性を重視した志向性に基づいているからです。

会議についても同様です、あらかじめ根回しができていて、提案に対する形式的な承認や合意を得る日本的な会議とは異なり、外資系企業の会議は議論の場です。日系企業では、議題に関する提案が否認された場合、それは提案者の失敗と評価される傾向があります。外資系の企業では、正しい事実や情報に基づき、提案された内容を議論して、修正や否認されることもめずらしくありません。質問や反対意見はアンチテーゼ(反証)として許容されます。それがより良い結論に結びつくならば、誰も提案者や質問者を責めることはありません。

日本人にとっての英語とハンディキャップ

世界の人口は70億人を超えています。そのうち英語を話している人は約15億人いるとわれています。わずか21%と思われるかもしれませんが、分母から中国、インド、ロシアといった大国を除くと、英語を話している人の割合は決して低いとは言えません。

英語を母国語としている英国、米国、オーストラリア等を除くと、ヨーロッパ諸国をはじめ、インド、フィリピンなどのアジア諸国、アフリカで最も人口が多いナイジェリアなどで英語が第二言語として使われています。第二言語として英語を使っている割合は、英語を話す全人口の7割を超えていると言われており、英語が世界共通言語と言われれる大きな理由の一つとなっています。

したがって外国人の上司、同僚、クライアントと意思疎通をはかるうえで英語は重要かつ基本的な手段となります。英語で正しく意思疎通をはかることは外資系企業で働くうえでのファンダメンタルと言っても過言ではないでしょう。

ところが、先進国の中で、日本は英語が通じない国の代表格と言われています。外資系企業が日本で事業展開する上での魅力は、「マーケットとしての魅力」が(62.4%)で最多である一方、日本で事業展開する上での阻害要因は、「人材確保の難しさ」(57.6%)がトップを占めています。外資系企業の採用現場において「人材確保の難しさ」は「仕事の能力は高いが、語学ができない」という要素が大きいと言われています。中学から大学に至るまで長年英語を勉強する機会があるにも関わらず、なぜ多くの日本人は英語を話せないのでしょうか?

日本はどこに行っても日本語だけで済んでしまう島国なので、歴史的に他国と隣接する諸外国のように母国語以外の第二言語の必要性が希薄です。それに加え、日本人は英語を学ぶことが苦手です。

これまでの英語教育が十分ではなかったという反省から文部科学省は小学校からの英語教育を本格化させました。しかし、日本人が英語を苦手とする理由は英語教育の問題だけではなく、そもそもGlobal Standardから外れた日本語の構文自体が英語を理解しにくいものにしているからです。

日本語の構文の基本はSCOVです。

  • 「主語」→「修飾節」→「目的語」→「動詞」

一方、英語をはじめ多くの外国語はSVOCです。

  • 「主語」→「動詞」→「目的語」→「修飾節」

日本語:私は・多くの人がいる・レストラン・が嫌いです。
英語:私は・嫌いです・レストラン・多くの人がいる。(I dislike restaurants where there are many people)

この構文上の転置は言語を理解するうえで、大きなハンディキャップになります。

外資系企業の志望者のための英語の学習方法

ではどのような学習方法が望ましいのでしょうか。世の中には英語を上達させるための様々な学習方法が提案されています。「半年であなたも英語がぺらぺらに!スピードラーニング」といった怪しげなものも見受けられます。

英語に限らず、言語を学習するうえで重要なことは、結局「文法(グラマー)」と「単語(ボキャブラリー)」に尽きるといって過言ではありません。いくらネイティブの外国人教師にワンツーワンのレッスンを受けても、多くの教材のCDを聞いても、言語の基本となる文法と単語の知識がなければ、得られるものは何もありません。リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングのすべてわたって文法と単語がしっかり身についていることが基本です。よくリスニングはある程度できるけど、どうもスピーキングが苦手という方がいます。しかし、そのような場合も実は文法や構文がしっかり身についていないことが多いのです。言語のInputとOutputはまさに表裏一体です。まず文法と単語を徹底的に勉強し、SVOCの構文に慣れることお勧めします。

また、単語を勉強する際に重要なのは発音です。単語のスペリングや意味は辞書で覚えても、その単語の正しい発音が身についていないとリスニングやスピーキングでアウトになります。できれば辞書アプリを使って必ずネイティブの発音を再生し、それを声に出して真似することお勧めします。視覚だけでなく音で覚えることは記憶に深く刻まれますので、単語を学習するうえで効果的な方法と考えられます。

では英語を学習した成果や実力はどのように測ったら良いでしょうか。世界共通の物差しとしてはやはりTOEICと言わざるを得ません。もちろん英検やTOEFLも決して無駄ではありません。特に英検は文部科学省公認の永久的な資格で、英検一級を取得していれば大学受験の英語を免除されるくらいですから、メリットは大きいと考えられます。ただし、もし外資系企業の採用担当者が米国本社の人事部の人だったとすると、英検??となってしまいます。そのような意味では世界基準であるTOEICのスコアも合わせて取得しておくことをお勧めします。

帰国子女の方が気を付けるべき注意点

帰国子女の方は、そもそも英語がネイティブに近いレベルという場合が多いと思います。英語でのコミュニケーション能力に何ら不安がないというアドバンテージがありますが、一方で日本語がしっかりできるかという点が課題となります。

外資系企業といってもお客様や取引先の多くは日本人です。しっかりした正しい日本語ができないとローカルマーケットで事業を展開する外資系企業の採用基準を満たせないということになりかねません。外資系企業が外国人ではなく、日本人を採用する目的はビジネスにとって重要な顧客対応にあるからです。

外資系企業における英語力の目安

外資系企業で求められる英語力とはどのくらいのレベルなのでしょうか?それはクライアントや自社の社員(外国人か日本人か)、職種(仕事の性質)、職位(管理職か非管理職か)によって異なりますが、新卒者がパスするために必要なレベルはずばりTOEICスコア 800点以上のビジネスレベルと言って良いでしょう。700点台でも可能性は十分ありますが、応募者が多く書類選考で残るには、800点以上は欲しいところです。また筆記試験や面接試験の段階においては800点以上あれば語学への不安が抑えらえ、気持ちに余裕が生まれますので、質問への回答に集中できます。では「ビジネスレベル」というのは具体的にどのようなスキルが求めらえるか考えてみましょう。

ビジネスレベルとは、必ずしも流暢(後述)である必要はなく、要点を漏らさず正確に聴く(Listening) 、読む(Reading)、話す(Speaking)、書く(Writing)による必要十分な双方向コミュニケーションズができ、その結果、適切な判断や行動に結びつけられることがビジネスレベルの基本です。聞き取れなかったことや理解できなかったことを問い直すのは決して恥ずかしいことではありません。

さらにみなさんが入社した後に会社で中核的な役割を担おうとするならば900点以上の「流暢レベル」は欲しいところです。「流暢」の定義は難しいですが、ここでは①適切な発音ができる ②適切な会話速度が保てる ③世界で広く受け入れらる「単語」「表現」「イディオム(慣用句)」が使いこなせる、と定義します。リスニングやリーディングはしっかりできるという前提で、スピ―キングがどこまで「流暢」にできるかということが焦点となります。そのうえで、「流暢」であることが求められるビジネスシーンは社内の外国人よりも、主にクライアント、ベンダー、協会関係者などの社外の外国人を対象とした対外的な業務です。これらの業務は会社としての「代表」だったり「顔」としての役割を担いますので、ある程度の権威付けが必要となります。そのためには「流暢」であることが求められます。そのような意味では、単に言語能力だけではなく、分からないことは遠慮なく質問でき、言うべきことを適切に伝えられるディスカッション能力やプレゼンテーション能力も求められます。

金融・保険・IT・製造業における専門的な職種においてはその分野ならではの専門用語(Terminology)にも精通している必要があります。キーワードとなるTerminologyが分からないためにディスカッションについていけないと流暢であるとは言えません。また「流暢」と言えるレベルにおいてはリスニングも重要となります。今や外資系企業は世界中の人が集まる集団と言っても過言ではありません。様々な国や地域の外国人が働いており、母国語による英語のアクセントも様々です。多少癖のあるアクセントでも単語を聞き取れる力が求められます。これは様々な国の外国人と会話を通じて体得していく必要があります。

さらに、複雑な商談や難しい交渉の場面においては「ネイティブレベル」が理想的です。「ネイティブ」の定義も難しいところですが、簡単に言ってしまうと「流暢」のレベルが英語を母国語としている人と同じくらい高いということなります。「発音」「表現」「イディオム」は経験的、実践的に学ばないとTOEICの教本やCDだけでは身に付きません。また、ネイティブのレベルで英語が使えるようになるためには、言語的なスキルだけでなく、文化や習慣の違いを理解しておく必要があります。複雑な商談や難しい交渉の場面ではIce Breakと言われる軽いジョークで緊張を和ませたり、相手の国の料理や名所など文化や自然にちなんだ話題に触れることでより友好的な関係を築くことができます。

このような流暢レベルやネイティブレベルへのスキルアップは、入社後に勉強しても決して遅くはありません。むしろ、嫌でも毎日が英語学習となる外資系企業で仕事をするならば、就業後も普段の勉強を続け、定期的にTOIECを受けてレベルアップに努めることが、将来的なキャリアアップにも結び付きます。

外資系企業で求められるスキルまとめ

外資系企業と日系企業との違いを主に説明いたしましが、就活における面接試験等でのセオリーや、評価されるポイント(知識、能力、態度、姿勢など)は外資系企業も日系企業も同じです。

語学が優れているから大丈夫、プレゼンテーション能力が優れているから大丈夫ということでは決してありませんので、まず就職に必要な基本的な要件はしっかりと身に着けておくことが肝要です。



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