

今回は、従業員数10万人を超える企業で新卒採用をしております「K」が答えます。
2020年(2021卒向け)の就職活動は就活生にとってかつてないほどの逆風にさらされています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業の説明会は相次いで中止もしくはWeb配信という形での実施に変更となり、面接・面談に至っては大半がWeb上で行われるようになりました。
“不要不急の外出自粛”という事態をもたらした新型コロナウイルスは就職活動の在り方を大きく変えていこうとしています。
今回は新型コロナウイルスがもたらした就職活動への影響とこれから就職活動を開始する2022年卒業の学生が取るべき行動について紹介していきます。
目次【本記事の内容】
- 1.新型コロナウイルスが与える就職活動への影響
- 1-1.企業の景気
- 1-2.採用人数
- 1-3.サマーインターンシップ
- 1-4.オリンピック
- 1-5.採用プロセス・選考方法
- 2.これから就活を始める2022年卒業の学生が取るべき行動
- 2-1.オンライン対応への準備
- 2-2.ダイレクトスカウト型求人サイトへ登録
- 2-3.早期動き出し
- 3.【まとめ】コロナの就活への影響と取るべき行動
新型コロナウイルスが与える就職活動への影響

ここでは新型コロナウイルスが就職活動へもたらした(もたらすであろう)影響について5つ紹介していきます。
企業の景気
新型コロナウイルスはこれまで比較的堅調だった日本ならびに世界経済へ影響をもたらすことは確実で、企業の景気は後退局面に入っていくでしょう。
過去の「○○ショック」時の不況と大きく異なる点は、人の活動が制限されているためほとんどの企業は経済活動すら正常に行えないことです。
特に日本産業の代表といえる自動車産業はアメリカ・中国・EU圏市場が立ち直らなければ深刻な影響が出ます。そして自動車業界に関連した周辺産業にも大きな影響を及ぼすことになります。
採用人数
新型コロナウイルスの影響で日本企業の景気が後退していけば、各社の採用人数にも影響をもたらします。
先ほども述べた通り、日本を支える製造業、特に自動車業界の景気が悪化していけば、周辺企業を含めた雇用にも影響が出ることは確実です。
これまでは学生優位の「超売り手市場」とされていた就活市場ですが、少子化に伴う人手不足に陥る構造があるので一気に「買い手市場」とまではいきませんが、採用人数を減らしてくる企業は多くなります。
サマーインターンシップ
新型コロナウイルスは就活開始を意味するサマーインターンシップにも大きな影響を及ぼそうとしています。
近年、売り手市場の就活環境の中、企業各社は早期に優秀な人材を確保するためにサマーインターンシップを皮切りに学生と早期接触を図ってきました。
学生側もサマーインターンシップは採用選考へ影響すると暗黙のルールを理解した上で参加しています。
その証拠に7年前のサマーインターンシップ率は学生全体の30%程度で1人平均1.7社の訪問だったのが、現在では学生全体の約80%、1人平均4社程度のインターンシップに参加している状況です。
しかし、新型コロナウイルスの影響でサマーインターンシップの形式も見直しを余儀なくされており、短期間(1-2day)のものはWeb上での企業説明や簡単なケーススタディを解くなどシンプルなものとなるでしょう。
一方で長期間(2weeks)のものはこれまで以上に少人数制となり、応募倍率は上がるか、テレワークが進んでいる企業ではテレワーク型インターンシップの導入も進むことが予想されます。(また一部企業で実施している職場体験型インターンの実施は困難と予想しています)
オリンピック
新型コロナウイルスの影響でオリンピック開催も1年延期されました。予定通り来年の7月にオリンピックを開催するのであれば就職活動時期にも影響が出てきます。
多くの企業はオリンピックが開催される7月までには採用活動を終えるように、早期に動き出すことが予想されます。
これらは本来であれば2021年卒業の就活生に影響が出るはずでしたが、今回の件で2022年卒業の就活生への影響は避けられません。
採用プロセス・選考方法
新型コロナウイルスは就職活動における採用プロセスや選考方法の観点で大きな変更をもたらすことが予想されます。
現状は物理的に外出ができないために説明会や面接といった本来はその場に赴いて対応していたこともWeb上で実施している状況です。
これまでの「面接は対面で行うもの」という固定概念を大きく変えることに繋がり、企業側は「Web形式でも面接は可能」という認識を持つことになりました。
その結果、従来とは異なり今後は説明会や多数の候補者を絞り込む初期段階の面接は効率化を考えて「Web形式」での実施が進むことが予想されます。
一方で全ての採用プロセスがWeb形式で実施されることはまだ難しいという各社の意見も多く、絞られた候補者を見極めていく段階の面談は従来通り「対面での面接」となることが予想されます。
これから就活を始める2022年卒業の学生が取るべき行動

新型コロナウイルスがもたらす就職活動への影響について紹介しましたが、次にこれから就職活動を開始する2022年卒業の学生が取るべき行動について紹介していきます。
オンライン対応への準備
新型コロナウイルスは良くも悪くも、就職活動のWeb化を急速にもたらしました。2021卒の就活生の中には就活の急速なWeb化の流れについて行けず、乗り遅れる学生もいました。
今や誰もがスマートフォンは持っていますが、反対に学生全員が自宅にPCやネット環境が整っているわけではありません。
Web上の就活はスマートフォンでも対応はできますが、効率性や操作性などの面を考えてもPCで行ったほうがよいと言えます。
また、中には自宅にネット環境がなく大学まで足を運び、大学のPCでWeb面接の対応をする学生もいます。集中した環境で面接を受けるためにもプライベート空間のネット環境の整備は進めた方がよいでしょう。
ダイレクトスカウト型求人サイトへ登録
企業側は採用候補者の母集団を確保するためにサマーインターンシップの実施に力を入れてきました。
ただ、今年のサマーインターンシップは夏休みの短縮化や新型コロナウイルスの終息状況が読めないため、これまで通りに実施できるかどうか極めて不透明な状況です。
そのため企業としては別の方法で母集団形成および優秀な学生へアプローチすることが予想されます。
その一つの手法として考えられるのが「ダイレクトスカウト型求人」が考えられます。企業側は自分たちが必要としている学生のターゲットを定め、ダイレクトにスカウトを行い、Web形式も駆使しながら学生側とコンタクトを取ってくることになるでしょう。
そのため、学生側はリクナビ・マイナビに代表される総合就活サイトだけでなく、ダイレクトスカウト型求人サイトへ複数登録しておくとよいでしょう。
早期動き出し
オリンピックの開催時期延期やサマーインターンシップの形式変更など、変化点が多い2022年卒向け就職活動においては早期の動きだしがこれまで以上に重要になってくると言えます。
従来はインターンシップで得ていた企業の情報や社員とのコネクションも、今年に限っては限定的になると予想されます。
そのため、企業の情報は早目から積極的に取っていくことが「内定」を獲得できるかどうか大きく変わってきます。
また企業側もオリンピックというイベントがある以上、それ以前に活動を終えるように調整するはずなので、企業側も早期から学生と接触を試みるはずです。
「就活は3月解禁」という意識は捨てて、早期からビジョンを持ったうえで臨むようにしましょう。
【まとめ】コロナの就活への影響と取るべき行動
いかがでしたでしょうか。
今回は新型コロナウイルスがもたらした就職活動への影響とこれから就職活動を開始する2022年卒業の学生が取るべき行動について紹介しました。
新型コロナウイルスは良くも悪くも日本の就職活動における転換期の契機になっていくことでしょう。変化が目まぐるしく前例がないことへの挑戦となるので不安な方も多いでしょう。
ただ、これまでもそうですが、時代の変化に対して柔軟に対応し、その中で自分の価値を存分に発揮できる人が求められます。
それを踏まえた上で、まずは体調に十分に気をつけ、万全な体勢で就職活動に挑みましょう。
2022卒の就活ってどうなるの?